2023/02/26 13:05
亜鉛が不足することで最も多く見られる症状が、皮膚や爪の炎症です。
口内炎・皮膚炎・爪の白斑などができやすくなるほか、味覚障害も起こり、髪の毛の成分であるケラチンが生成できなくなるために髪の毛の成長が妨げられ、抜け毛の増加やツヤの低下なども見られるようになります。
さらに免疫機能も低下するため、ウイルスや細菌に感染するリスクが高まります。
そこで亜鉛が、薄毛や育毛の対策に効果があると言われるのは、どのような理由があるからなのでしょうか。
*ケラチン合成に必要
髪の毛は、ケラチンというタンパク質で構成されていますが、ケラチンが合成されるときに亜鉛が必須とされています。
ケラチンは、髪の毛の成分のうちおよそ9割を占めているため、ケラチンが上手く合成されないと細胞分裂が正常に行われず、
髪の毛が形成されずに育たないのです。
ケラチンができるまでには、まず体内にタンパク質を取り込み、タンパク質を分解してアミノ酸にして、そのアミノ酸を
再結合するという工程があります。アミノ酸の再結合に、亜鉛が必要であるため、タンパク質を摂っていても髪の毛が
増えないと感じる方は、亜鉛が不足している可能性が高いのです。
*ヘアサイクルを正常に保つ
亜鉛は、髪の毛のヘアサイクルを正常に保つことにも役立っています。ヘアサイクルが成長期に入ると、毛母細胞が分裂を
繰り返し、髪の毛が伸びて皮膚の表面へと出て行きます。この毛母細胞の分裂にも、亜鉛の働きが欠かせません。
亜鉛が不足してしまうと、毛母細胞が不活発となり、髪の毛が伸びにくくなるためヘアサイクルの正常化に亜鉛が欠かせない
とされるのは、このような理由があるためです。
*AGAの進行を遅らせる
男性型脱毛症であるAGAは、テストステロンという男性ホルモンと、5αリダクターゼという酵素が結合することで生成される「ジヒドロテストステロン」が原因で、抜け毛を促進します。
亜鉛は、5αリダクターゼの働きを抑える作用があり、AGAの進行を遅らせる可能性が指摘されています。もちろん、
亜鉛を摂取さえすれば、AGAを予防・改善できるというわけではありませんがあくまでも、進行を遅らせる働きが
期待できると考えられています。
だからといって過剰に摂取すると鉄分や銅の吸収が妨げられるため、食欲不振・下痢・頭痛・吐き気などの副作用を
引き起こす恐れがあるため、適度な量を摂取するように心掛けることも大切です。